22日の東京株式市場でエイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)株が6営業日続伸し、一時前日比121円(6%)高の2263円をつけ年初来高値を更新した。旺盛なインバウンド(訪日外国人)需要を背景に好調な業績が続く中、証券会社が目標株価を引き上げたことも好感された。

みずほ証券は21日付で、H2Oの目標株価を1750円から2100円に引き上げた。中長期的なインバウンド需要の成長性や、自社株買い方針を評価した。

15日に公表した24年3月期の連結決算は、百貨店事業の訪日客向け売上高が802億円と、従来の過去最高だった19年3月期の2倍の水準まで伸びた。百貨店全店の4月の免税売上高も3カ月連続で過去最高を更新するなど、足元でも販売好調が続いている。

25年3月期のインバウンド向け売上高は前期比25%増の1000億円を見込む。証券ジャパンの大谷正之調査情報部部長は「インバウンド需要も一巡したかと思われたが、円安を追い風に高級品の販売が伸びており、収益性の高まりが再評価されている」と話す。

15日公表の中期経営計画では、3年間累計で総還元性向を60%以上に高める方針も示した。3年間で300億円規模の自社株買いを実施する。大谷氏は「株主還元策の充実も株価にプラスに効いている」とみる。

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