石油化学工業協会(東京・中央)は23日、化学製品の基礎原料であるエチレンの生産設備の4月の稼働率が82.4%(速報ベース)だったと発表した。好不況の目安とされる稼働率90%を2022年8月以降、21カ月連続で下回った。耐久消費財が振るわないほか、中国の過剰生産が背景だ。
エチレンは自動車や家電など耐久消費財や日用品などに使う合成樹脂の原料となる。生産量は前年同月比12.3%減の39万3900トンだった。定期修繕中のプラントが増えたことも響いた。
エチレン設備の増設が相次ぐ中国での需要回復が遅れている。余剰生産分がアジア圏に流れエチレン市況が悪化している。石油化学工業協会の岩田圭一会長(住友化学社長)は「中国の(エチレン設備の)増設の圧力はまだ続く」と話した。
石化協は同日、岩田会長の後任に旭化成の工藤幸四郎社長を推薦すると発表した。7月に開く定時総会で正式に決める。任期は2年間になる予定だ。
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