万博会場では事前に顔写真と決済方法を登録しておけば、手ぶらで買い物できる(23日、東京都港区)

NECは23日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の入場ゲートと店舗決済に同社の顔認証システムが採用されたと発表した。来場者は専用のチケットサイトなどで事前に顔写真と決済方法を登録しておけば、入場と店舗決済が「顔パス」ですむ。国内最大規模となる120万IDの登録を想定する。

顔認証を使った決済では万博会場内のショップやカフェなどに約1000台の端末を設置する。利用者はスマートフォンやカードを使用せずに手ぶらで決済できる。

万博の開幕期間中に何度も入場できる「通期パス」、25年7月19日〜8月31日の間に何度も入場できる「夏パス」のほか、万博独自の電子マネー「ミャクペ!」に登録した利用者を対象とする。

51カ所の入場ゲートが顔認証システムに対応する。対象パスを持った人が入場する場合、チケットに記載のQRコードをゲートにかざした上で、ゲートに設置したカメラで顔認証をする。通期パスや夏パスの使い回しの防止にも役立つとみている。

運営主体・日本国際博覧会協会の河本健一企画局長は同日の記者会見で「万博の会場をキャッシュレス社会、デジタル社会の実験場として快適な会場運営を目指す」と話した。

NECの顔認証技術は以前からオフィスの入退場管理や空港の搭乗手続きなどで導入されている。ただ店舗決済はこれまで実証試験や実用化されている店舗も一部にとどまるなど規模が小さかった。

NEC大阪・関西万博推進室長の高橋篤史氏は「世の中で店舗展開している事業者などにも使ってもらえるように、技術的にもブラッシュアップした」としており、万博をテコに顔認証決済の普及を目指す。

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