埼玉りそな銀行などは15日、税金や保険料を滞納している人らに対する預貯金の差し押さえ業務をデジタルで効率化するサービスを開始した。自治体と金融機関の間で送付・受領する書類を電子化する。金融機関は事務手続きにかかる時間を半減でき、行政もこれまでより迅速に処分結果を把握できる。全国初の取り組みで、埼玉県加須市などで先行導入した。

地方自治体は滞納者らに対し、金融機関を通じて預貯金を差し押さえ、回収した資金を滞納分に充てられる。これまでは差し押さえ対象者の決定後に行政が金融機関に送る通知書類と、差し押さえの手続き後に金融機関から行政に送る結果書類のそれぞれを郵送していた。書類を電子化することで郵送作業などを省き、負担を減らす。

サービスは同行とNTTデータ、AGSが共同で展開する。NTTデータの開発した「pipitLINQ(ピピットリンク)」を使ってデータを送受信する。このサービスはもともと、預貯金などの照会業務を電子化する目的で開始し、現在は全国約900の行政機関が導入している。

加須市を含む県内2市でスタートし、今後は県内の他自治体にも広げる考えだ。自治体職員の人手不足も問題となるなか、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進して行政業務の効率化にもつなげる。

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