実験でエンジンから吹き出る炎=PDエアロスペース提供

宇宙飛行機開発のスタートアップ、PDエアロスペース(名古屋市)は27日、強い爆発によって生じた衝撃波を利用するロケットエンジンの実証実験を報道公開した。同社は航空機のようなジェットエンジンとロケットエンジンを切り替えられる単一のエンジン開発を進めている。

同社が使ったのは燃料が燃え広がる速さが音速を超える「爆轟(ばくごう)」と呼ばれる激しい爆発で、連続して起こすことで推進力を得る。今回は2つのエンジンを連結したもので、強い爆発を使ったこの形のエンジンは世界初の技術だという。

通常2つのエンジンで分担するジェット推進とロケット推進を1つのエンジンにすることで、軽量化や低コスト化につなげる狙いがある。同社の緒川修治社長によると、実用化には爆発によって生じる熱の冷却機能や耐熱の仕組みなど課題も多いという。

PDエアロスペースはジェットエンジンを搭載することで、既存の航空機の滑走路で離着陸できる手法を見込む。2031年に宇宙旅行を商用化し、40年には価格も100万円以下に抑える目標を掲げている。

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