新たに建設したウイルス除去フィルターの組み立て工場(宮崎県延岡市)

旭化成は27日、バイオ医薬品向けのウイルス除去フィルターを組み立てる新工場が宮崎県延岡市で完成したと発表した。同製品は医薬品の製造工程でウイルスを取り除くために使われ、組み立て工場としては3施設目となる。2026年10月ごろから製品を出荷する予定だ。バイオ医薬品の世界的な需要増加に対応する。

旭化成が手掛けるウイルス除去フィルター「プラノバ」

製造するのは「プラノバ」と呼ばれるストロー状の糸を束ねてウイルスをろ過するフィルターで、旭化成の子会社が手掛ける。

酵素や抗体などを有効成分とするバイオ医薬品は、これまで主流だった化学合成による医薬品よりも副作用が少ないとされる。需要は年率約10%で伸びており、それに伴いフィルターの需要も増えている。

同社はこれまでも宮崎県や大分県で工場の建設や増設を進め、増産体制を整えてきた。将来は全体の生産能力を現在の2倍以上に引き上げることをめざす。

22年にはより効率よくウイルスを除去することができる「プラノバS20N」を開発した。同社は「プラノバ」の製造販売のほか、バイオ医薬品の製造開発を受託する事業や製造過程での安全性を確かめる試験受託サービスも手掛けている。

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