第一三共は27日、肺がんの治療薬候補について、最終段階の臨床試験(治験)の結果を発表した。主要評価項目として設けた死亡するまでの期間を示す全生存期間は、統計的に有意な改善が認められなかった。結果は学会で報告し、承認申請中の米国や欧米の各当局とも共有する。
治験は治療歴のある進行性または転移性の非小細胞肺がん患者を対象に、約600人が参加した。治療薬候補「ダトポタマブ デルクステカン」について、有効性や安全性を確かめた。
全生存期間については、一般的な化学療法を投与したグループと比較して改善が認められなかった。ただ、非小細胞肺がんの7割以上を占めるとされる非扁平(へんぺい)上皮がんでは改善を示した。
ダトポタマブはがん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させた抗体薬物複合体(ADC)の一つ。がん細胞を直接攻撃するため、副作用のリスクを減らせる。第一三共は非扁平上皮の非小細胞肺がんを対象として、米国と欧州でダトポタマブの承認申請中だ。米国では年内に審査が完了する見込み。
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