日本製紙は紙の原料となる木質資源の新しい活用方法としてバイオエタノールを生産する

日本製紙は27日、国産の持続可能な航空燃料(SAF)の普及に取り組む団体「ACT FOR SKY」に加盟したと発表した。同社は住友商事などと連携してSAFの原料となるバイオエタノールの商用生産を検討している。国産の木材を使ったSAF向け事業を強化する。

同団体は2022年3月、日揮ホールディングス(HD)や全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)など16社が立ち上げた。企業間で連携してSAFの供給網の構築などを進めている。製紙会社の加盟は初めて。

日本製紙と住友商事、バイオマス関連スタートアップのGreen Earth Institute(グリーン・アース・インスティテュート)の3社は、27年度に数万キロリットルのバイオエタノールの生産を目指している。原料には日本製紙の供給網を通じて安定調達できる国産材を使う。輸送時に排出する二酸化炭素(CO2)が少なく済む利点がある。

国内の紙需要が減るなか、日本製紙は紙の原料となる木質資源の新しい活用方法としてバイオエタノールを生産する。日本政府は30年に国内航空会社の燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げており、SAFや原料のバイオエタノールは需要増加が見込まれている。

日本製紙は木質を多様な用途に展開して使用量を増やすことで、森林資源の利用と植林の循環を促す。木は成長した後よりも若いときに多くのCO2を吸収する。そのため、古い木を伐採して使い、新しい木を植林することでさらなる脱炭素の効果が見込める。従来よりCO2の吸収量が1.5倍以上多い品種の苗木も活用する。

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