27日の東京債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りが上昇(債券価格は下落)し一時、前週末より0.020%幅高い、1.025%をつけた。2012年4月以来、約12年ぶりの高水準となる。
市場では、日本銀行が金融政策の正常化を進めるとの見方から、長期金利の上昇傾向が続いている。5月初めからは0.135%幅上昇した。27日は午前中に日銀の内田真一副総裁が講演し、物価も賃金も上がらないという社会的なノルム(規範)は解消に向かっていると指摘。3月にはマイナス金利政策を含む大規模緩和を転換したことを挙げ、「デフレとゼロ金利制約との闘いの終焉(しゅうえん)は視野に入った」と述べた。市場では、追加利上げなど政策修正に向けた地ならしと受け止められたようだ。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩氏は「(発言の)ニュアンスは強くなかったが、マーケットが敏感になっており、長期金利の利回りも上がりやすくなっている」と話した。(杉山歩)
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