自動車用内装材メーカーの共和レザーは27日、インド市場に参入すると発表した。同国で最大の内装部品メーカー、クリシュナグループと合弁で2024年中に販売会社を設立。日本から輸出する合成皮革製品をマルチ・スズキやマヒンドラ・アンド・マヒンドラなど同国の完成車メーカーに売り込む。将来の現地生産も検討する。

クリシュナと合成皮革の販売に関する合弁事業契約を21日付で締結した。販社は首都ニューデリー近郊のハリヤナ州グルガオンに設立し、出資比率は共和レザーが51%、クリシュナが49%となる予定。両社からそれぞれトップを含む3人を役員として派遣し、代表はクリシュナ側が務める。

年内に日本からインドへの製品輸出を始める。販売が軌道に乗りインド市場の成長も続けば、27年に現地でクリシュナと合弁で工場を立ち上げることを検討する。輸出から現地生産への切り替えで製造コストを引き下げつつ販売拡大を目指す。31年3月期に合弁事業で売上高28億円、営業利益6億円を計画する。

インドは中国や米国に次ぐ世界第3位の自動車市場となり、生産台数が30年に22年比で1.4倍に成長すると見込まれている。先進国で売れ筋のミニバンや多目的スポーツ車(SUV)の需要が伸びており、これら車種で採用例が多い共和レザーの強みが生かせると判断した。競合する中国からの輸入品を代替することを狙う。

共和レザーは自動車用内装の合成皮革で国内トップシェアを握り、海外でもトップクラス。先進国では販売価格で300万〜800万円の中高級車種での採用が多い。インドはこれまで低価格帯小型車と超高級車に二極化しており、同社の手掛ける製品はニーズが乏しいとみて輸出も含めて供給していなかった。

共和レザーは同日、31年3月期の売上高を24年3月期比6%増の550億円、営業利益を同2倍の50億円を目標とする中期経営計画や長期ビジョンも発表した。

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