日本マクドナルドの社長に就任するトーマス・コウ氏

日本マクドナルドホールディングス(HD)は29日、傘下の日本マクドナルドの社長に日本マクドナルドHDのトーマス・コウ取締役(48)が就任する人事を発表した。韓国やポルトガルなどのマクドナルドで培ったグローバル経験を生かし、日本でも市場変化への対応を早める。6月14日に開催予定の株主総会などを経て就任する。

日本マクドナルドHDと日本マクドナルドの社長を兼務していた日色保氏はマクドナルドHDの社長を留任し、日本マクドナルドでは現在空席の会長に就く。同社では3月にサラ・カサノバ氏が会長を退任し日色社長中心の体制に移行していたが、事業会社で再びツートップ体制にすることで経営基盤を強化する。

日本マクドナルドは2022年以降4度値上げを実施しているが、持ち帰りや宅配需要への対応、期間限定商品の投入などで客数を確保し足元の業績は好調だ。既存店売上高は4月まで46カ月連続で前年同月実績を上回る。ただ世界では中東での不買運動が起きているほか、米マクドナルドでは客足鈍化を懸念して低価格セットを導入するなど、先行きの不透明感がある。

コウ氏は香港出身で、00年に独カールツァイスビジョンに入社後、ボストンコンサルティンググループを経て、10年に米マクドナルド・コーポレーションに入社した。アジア・太平洋、中東、アフリカ(APMEA)地域の消費者調査などを担ったほか、韓国やポルトガルでの業務経験も持つ。社長への登用で日本市場でも市場環境の変化に迅速に対応する体制を整える。

トーマス・コウ氏 2000年(平12年)独カールツァイスビジョン入社。10年米マクドナルド・コーポレーション入社、15年日本マクドナルド執行役員、24年日本マクドナルドHD取締役。

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