豊田自動織機が開発した水素製造装置用の電極

豊田自動織機は30日、水素製造装置用の電極で、プラチナ(白金)やコバルトなどの希少金属を使わない技術を開発したと発表した。電池の開発技術を応用し、水素製造装置のコストを2割削減できると見込む。製造装置メーカーに電極を売り込み、2028年ごろの市場投入をめざす。

開発した製造装置用の電極は、ニッケル系の合金材料を使う。再生可能エネルギーの電気を使う水素製造装置は、稼働と停止を繰り返すことから耐久性が求められ、プラチナやコバルトが使用されていた。同物質は生産地域の偏在や高コストが課題だ。

豊田織機は、自動車向けのニッケル水素電池の開発や製造を手掛ける。水を電気分解して水素を作る過程は、電池の内部の反応と類似点があった。

水素製造装置向けの電極は、電池の材料の解析や製造技術を生かして劣化しにくい構造を作り、プラチナやコバルトを使う場合と同等の耐久性と性能を実現した。

国際エネルギー機関(IEA)は、水素製造装置の導入量は30年に23年比で約27倍になると予想する。

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