型枠を支えるために軽いアルミ製の資材を開発し、建設技能者の延べ作業時間を2割減らした(31日、東京都墨田区)

鹿島は31日、ビル建設や土木工事でコンクリートを流し込む型枠の組み立て作業を効率化する工法を開発したと発表した。型枠を支える資材に軽量のアルミ製を採用、建設技能者の延べ作業時間を2割減らした。高齢化で熟練技能者の人手不足が深刻化していることに対応する。

建設資材メーカーの岡部や工務店など3社と組み、従来使っていた鋼製のパイプをアルミ製のパイプで代替できるようにした。断面形状を工夫して本数を減らし、強度を保ちつつ、同じ量の型枠に使うパイプの重さを3分の1以下に減らした。

熟練技能者(写真左)による作業より若手(同右)の作業の方が速い(31日、東京都墨田区)

新しい金具を開発して作業性も高め、若手の外国人などにも扱いやすくした。「作業時に重いパイプを片手で支える負担もなくし、安全性を高めた」(鹿島の建築管理本部の掛谷誠課長)

パイプをトラックで輸送する際の積載重量も減るため、輸送時の二酸化炭素(CO2)排出量を約50%削減できる。型枠工事を短縮することで人件費も抑える。工事を管理する現場監督の拘束時間も減らし、建設業界で2024年4月に導入された残業時間の上限規制に対応する。

これまでに国内の建築現場10カ所以上に導入した。鹿島などは新工法を日本建築学会や業界団体に提案しており、普及を目指す。

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