イオンはアレルギー対応のPB12品目を発売する(31日、千葉市)

イオンは31日、プライベートブランド(PB)商品で12品目のアレルギー対応品を6月12日に発売すると発表した。くるみなど8種類の特定原材料を使わない商品で、米粉で作った肉まんやパン、ウインナーなど冷凍食品を中心に用意した。段ボールを再利用したトイレットペーパーなど環境に配慮した商品も追加し、若い顧客を取り込む。

アレルギー対応シリーズ「やさしごはん」は、赤ラベルで中〜高価格帯PB「トップバリュ」から発売する。総合スーパーや食品スーパーなど全国の1060店舗に並ぶ。シリーズでは初めて冷凍食品を取り入れた。

「生地がもちもち豚まん」(1袋4個、645円)は生地に米粉を使い、あんにはつなぎに卵を使わずふっくらとした食感を実現した。ウインナー(同9本、429円)や豚肉のミートボール(同15個、861円)などいずれも電子レンジで解凍すれば一般的な商品と味も食感も遜色ない。

米粉のパンなど特定原材料8種類を含まない冷凍食品を用意した(31日、千葉市)

アレルギー対応品は2016年に販売を始め、商品数を拡大してきた。23年3月の内閣府令で食品表示基準が改正され、特定原材料の表示義務が卵や小麦など7種類から、くるみを含む8種類に変わった。イオンも基準に追加された特定原材料が混入しない工場を選んで新商品の開発を進めている。商品数は26年2月期までに現状の2倍の50品目以上を目指す。

環境配慮型のPB商品として、段ボールを再利用したトイレットペーパー(8個、525円)を総合スーパーを中心に全国の約600店で31日に発売した。特殊な加工技術を使って一般品と同じ柔らかさにし、水にも溶ける。

イオンは26年2月期までに対象となる7300品目のPB全てで包装などを環境に配慮した資材に切り替える目標を掲げる。24年5月末時点で10%を切り替え済みで、25年2月までに40%まで高める。

イオントップバリュの土谷美津子社長(中央)は「若い人は環境意識が高く、配慮型の商品を選ぶ」と話す(31日、千葉市)

31日、26年2月までに顧客や取引企業と環境に関して意見交換できるオンラインの「サロン」をつくる計画も明らかにした。PB開発のイオントップバリュ(千葉市)の土谷美津子社長は「今の30代前後の世代は環境配慮型の商品について知識が豊富で選択肢になっている。時代が変わってきたと実感しており、需要を取り込んでいきたい」と話した。

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