愛媛県の民間企業の夏のボーナス支給見込み額は6年連続のプラス――。いよぎんホールディングス(松山市)傘下のシンクタンク「いよぎん地域経済研究センター(IRC)」が5月29日、今夏の県内民間企業の一人当たりのボーナスが前年比1%増の40・2万円を見込むと発表した。
調査は4月中旬~5月中旬、県内に事業所がある801社を対象とし、265社(33・1%)から回答を得た。前年から増額する企業が54・9%、減額は17・9%、横ばいは27・2%だった。部門別では製造業が前年比0・5%減の53・6万円となる一方、非製造業は同1・4%増の37・4万円だった。増額する企業の理由として「社員のモチベーションアップ」が最多の53・1%。減額の企業は「業績不振」(40・5%)が最も多かった。
伊予銀行であった記者会見で、IRCは県内経済が緩やかに持ち直しているものの、新型コロナウイルス禍前の水準には届かないと指摘。印刷業など一部企業では、物価上昇などを背景に業績は厳しくてもボーナス増に踏み切る動きもあるとした。矢野一成社長は、業績改善の鍵は人材確保にあるとしたうえで「持続的な賃上げには、人件費上昇に伴う価格の値上げと、企業の生産性向上との両輪が欠かせない要素になる」と語った。【鶴見泰寿】
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