財務省が3日に発表した1~3月期の法人企業統計で、全産業(金融、保険をのぞく)の経常利益は前年同期比15.1%増の27兆4279億円だった。5四半期連続で前年より増え、1~3月期では前年の約23兆8千億円を上回って過去最高を更新。とくに自動車を中心とする輸送用機械産業が3割超の伸びを記録し、全体を押し上げた。
企業規模別の伸び率は、資本金1億~10億円が23.5%、1千万円~1億円が18.8%で、業界大手が多い10億円以上の10.2%を上回った。
輸送用機械は、直前の四半期(昨年10~12月期)の8割増に比べると、伸び率は鈍化した。認証不正によるトヨタ自動車系メーカーの出荷停止も響いたとみられる。それでも値上げで採算がよくなり、円安で海外の利益もふくらんだことで、大幅な増益が続いた。幅広い製品の原材料をつくる化学産業も37.8%増と好調だった。
一方、全産業(金融、保険をのぞく)の設備投資は6.8%増え、17兆6628億円となった。12四半期連続の増加で、07年1~3月期に次ぐ過去2番目の高水準だ。輸送用機械は25.7%増え、ここでも牽引(けんいん)役となった。(内藤尚志)
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