北海道電力は3日、人工知能(AI)を活用してインフラの運用を効率化するサービスを提供するグリッド(東京・港)と組み、火力発電と水力発電の運転計画を最適化するシステムを開発したと発表した。AIを活用し、熟練社員が1日4〜5時間かけて立てていた運転計画を10分程度でつくる。月8億円の費用削減効果を見込む。2025年春に本格導入する。

発電所の運転計画は、電力需要や気象情報などを考慮するが、発電所によって起動方法や発電コストは異なる。水力発電は発電所の数が50以上あり、ダムの運用や農業用水にも関係するため考慮すべき事項も多い。こうした要素を数式化してAIに計算させ、最適な発電計画をつくる。

24年3月から火力発電の運転計画に新システムを使い始めた。導入後、火力発電の燃料消費量を抑えたことで、1ヶ月あたり約6億円の費用を削減した。社員の作業時間も縮まった。縮めた分の作業時間は社員が卸電力市場での取引の戦略を立てる時間などに充てる。

北電とグリッドの記者会見で、伊藤万秀需給運用部部長は「二酸化炭素(CO2)の排出量や電気料金の低減につなげていきたい」と語った。

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