4月に子会社の船舶エンジン試験の不正が発覚していた

IHIは4日、4月に発覚した船舶エンジンの試験における不正行為について中間報告を発表した。出荷前の試運転では、顧客が立ち会う場面で燃費を実態よりも良く見せる手口が明らかになった。燃費データの書き換えなどについて調査の範囲を製造部門のみから営業部門まで広げたことなどから、新たに947件の不正が判明した。

IHIは子会社のIHI原動機で船舶や発電・鉄道車両用エンジンの試験の不正が発覚していた。社内調査を進め、中間報告を4日に国土交通省に報告した。現時点でまだ調査が完了していないエンジンがあり、今後2カ月をめどに対応を決める。弁護士らが進める第三者調査も並行して進めているが、報告日は未定という。

今回の中間報告において、顧客が立ち会うことがある「出荷前試運転」で、メンテナンス時に燃料を通すためのバイパス用パイプを使って燃費を良く見せたり、デジタル流量計を操作したりしていた手口が新たに分かった。

同試運転では、計測値の書き換えも行っていたことがわかっている。実測値が仕様に適合しない場合に書き換えたり、過去の不正との矛盾を回避するために不正を重ねたりしていた。中間報告で調査範囲を広げた結果、前回発表から544件増の4905台で不正が見つかった。

大気汚染物質の窒素酸化物(NOx)放出量を計測する試験では、仕様値に満たない場合に実測値を書き換えていたことが分かっている。NOx規制値を守りながら仕様の燃費を達成できない場合に燃費データを書き換えていた。中間報告では、顧客に出荷した分について実測値からの書き換えが計403件(うちNOx規制の逸脱は計4件)あったことも盛り込んだ。

今回新たに発覚した不正は合計で947件となる。

IHIは「顧客、関係機関、すべてのステークホルダーに迷惑と心配をかけ、重ねて深くおわび申し上げる」とコメントした。

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