大阪ガスはSOECメタネーションの試験装置を稼働させた(5日、大阪市)

大阪ガスは5日、水素と二酸化炭素から都市ガス原料の合成メタンをつくるメタネーションで新方式の試験装置を稼働させたと発表した。「SOECメタネーション」と呼ばれる手法で、使用電力に対する合成メタンの製造量であるエネルギー変換効率が世界最高という。2028年度には一般家庭1万戸分の都市ガス使用量に相当するメタンの製造を目指す。

SOECメタネーションは、まず水と二酸化炭素を電気分解して水素と一酸化炭素を生成する。これらを反応させ、メタンを合成するまでの工程を一貫して進める手法だ。合成時の拝熱を工程で利用でき、エネルギー変換効率は最大90%になるとしている。

大ガスなどが各地で実証実験を進める既存の方式は、水素を外部から調達して二酸化炭素と合成する。拝熱によるエネルギーのロスがあり、変換効率は6割程度だ。水素の運搬や貯蔵も課題となる。

メタネーションによる合成メタンは二酸化炭素排出が実質ゼロの都市ガス原料で、脱炭素に向け注目されている。大ガスは高効率なSOECメタネーションを30年代後半ごろに実用化したい考えだ。

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