写真はイメージ=ゲッティ

 円安でも日本で働きたい? 国内で働く外国人材の9割以上が現在の在留資格が切れた後も日本で働き続けたいと考えていることが明らかになった。しかし、長引く円安で自国通貨に換算した収入は減少しており、就労意欲が落ちる傾向もみられた。外国人材を雇用する企業には待遇改善と働きやすい職場づくりがいっそう求められそうだ。

 マイナビグローバルが発表した調査結果によると、日本で働く外国人材の91%が在留資格が切れた後も日本で継続して「働きたい」と回答した。だが、2022年の調査から5・8ポイント下落した。「働きたくない」は5・7%、「どちらともいえない」は3・3%だった。

 日本で働きたくない理由として挙がったのは「円安」が38・5%で最も多かった。日本で就職先を選ぶ時に重視する点でも「給料」が69・8%で22年から9・9ポイント上昇しており、円安で給料が目減りする状況が影響したとみられる。

 国籍別では、ベトナム人で「働きたい」と答えた割合が85・9%と22年から12・1ポイント下落した。ベトナム経済の成長が影響した可能性がある。一方、インドネシアやミャンマー、ネパールは94~97%と高い就労意欲を示した。

 また、熟練した技能を持つ外国人労働者に付与される在留資格「特定技能2号」で働くことを考えているとの回答割合は6割以上にのぼり、理由としては「将来日本に永住できる可能性がある」「家族と一緒に住める」などの理由が目立った。

 円安以外に日本で働きたくない理由としては「長時間労働など働く環境が悪い」(30・8%)▽「将来的に日本経済が発展しなさそう」(21・2%)▽「職場で外国人が受け入れられていないと感じた」(同)――などが挙がった。

 マイナビグローバルの杠(ゆずりは)元樹社長執行役員は「外国人材から見た日本の魅力低下が現実化しつつある。企業には給料などの待遇改善と同時に、外国人材との共生を図る職場づくりも求められる」と指摘した。【杉山雄飛】

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