アマゾンの配送業務を手がけるAZ-COM丸和ホールディングス(HD)は6日、物流同業で東証プライム上場のC&Fロジホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)価格を1株3000円から引き上げないと発表した。佐川急便を傘下に持つSGホールディングスの買い付け価格の方が高く、AZ-COM丸和は買収を事実上断念する見通しになった。
SGHDは3日から1株5740円でC&FへのTOBを始めており、AZ-COM丸和の買い付け価格を大きく上回る。AZ-COM丸和がSGHDに対抗して買収額の引き上げに動くかが焦点となっていた。C&FはSGHDの買収提案に賛同を表明している。
AZ-COM丸和は6日、「SGHDの買い付け価格は当社として合理的な企業価値の評価に基づく水準とは考えられないという結論に至った」とのコメントを発表した。
AZ-COM丸和は2022年からC&Fに買収を持ちかけ、今年3月には正式に買収を提案した。5月2日からC&F経営陣の同意を得ないまま1株3000円でTOBを始めていた。
一方、C&Fは「大口顧客の離反を招くリスクがある」とし、AZ-COM丸和の買収提案に難色を示してきた。5月には「対抗提案を4社から受けている」と明らかにし、そこに含まれていたSGHDは事実上のホワイトナイト(友好的な買収者)とみられる。
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