夏のボーナス支給額は理想と43万円の開きがあった(東京・丸の内で通勤する人たち)

就職情報サイトのマイナビ(東京・千代田)が6日に発表したボーナス(賞与)調査によると、2024年夏の賞与想定支給額は全体の平均が51万8000円だった。自分の仕事に見合う理想の支給額への回答は平均94万8000円で、43万円の開きがあった。賞与の少なさが理由で転職したことがあると答えた人は回答者の約半数に上った。

正社員として働く20〜50代のうち、4月に転職活動をしたか、今後3カ月に始める予定の人を対象に5月1〜7日にインターネット上で調査した。有効回答は1342人。

今年の夏の賞与に「賃上げの機運を感じているか」を聞いたところ、34.1%が「そう思わない」と答えた。「あまりそう思わない」(28.1%)と合計すると、62.2%が「夏の賞与に賃上げの機運を感じていない」と回答した。

「昨年夏の賞与支給額に納得しているか」という質問には、「そう思わない」(22.8%)と「あまりそう思わない」(30.8%)の合計が53.6%だった。直近の自身の評価に納得感があるかについては「あまりそう思わない」が31.7%、「そう思わない」が25.9%だった。賞与への納得感が低い人は、評価への納得感も低い傾向となった。

賞与の少なさが理由で転職したことがあると答えた人は49.2%と約半数に上った。転職の一番大きな理由に賞与が少ないことを挙げた回答者は21%で、「一番ではないが転職理由の一つだった」との回答は28.2%だった。

転職理由の一つだった人に最も大きな理由を尋ねたところ、17.3%が「賞与以外の給与(月給)が低かった」とした。「職場の人間関係が悪かった」(16.4%)、「会社の将来性、安定性に不安があった」(10.9%)が続いた。

マイナビキャリアリサーチラボの朝比奈あかり研究員は「賞与支給額への納得感は、評価への納得感と密接に関連している。金額を増やすことが理想だが、難しい場合でも支給額や評価に対する説明の機会を設けたり、評価制度を改善したりすることが効果的だ」と指摘する。

(井上みなみ)

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