レーザーテックは6日、海外空売り投資家のスコーピオン・キャピタルから不正会計の疑いを投げかけられていることに対し「適切な会計処理を実施している」と反論した。スコーピオン側が5日、レーザーテクの製品の需要動向や会計処理について疑いを指摘するリポートを公表していた。
棚卸し資産の会計処理で完成品を意図的に計上しない不正があるとの指摘については「検収時点までは製品とはみなされず、一般に公正妥当と認められる会計基準に従い仕掛品と認識している」と説明した。顧客により完成品として検収されると同時に売り上げを計上しているという。
棚卸し資産高が膨らんでいるという指摘に対しては、レーザーテクの製品のリードタイムが1〜2年と長く、受注増で仕掛品も増えているとした。仕掛品の品質低下や販売価格の下落などによる価値減少については「適正に在庫評価へ反映している」とした。
製品の需要動向に対する疑義については「旺盛な需要を受けている」と反論した。レーザーテクは半導体装置の製品別に売上高を開示。EUV(極端紫外線)露光装置向けのフォトマスク検査装置「ACTIS」シリーズの2023年7月〜24年3月期の売上高は765億円で、既に23年6月期通期を上回っているという。
同製品の受注高も23年7月〜24年3月期に684億円と23年6月期通期を上回っていた。スコーピオン側はACTISについて「装置として不良」と主張していた。
6日の東京株式市場でレーザーテク株は8日続落した。終値は前日比3%安の3万4520円だった。
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