IPEFは、中国への対抗を念頭に日本やアメリカ、インドなど14か国が参加する枠組みで、6日、シンガポールで開かれた閣僚級の会合には、齋藤経済産業大臣と辻外務副大臣が出席しました。
会合では4つの交渉分野のうち、去年11月に実質妥結した▽脱炭素に向けた投資を促進する「クリーン経済」と、▽汚職防止などの「公正な経済」の分野で参加国による署名が行われました。
このうち「クリーン経済」は、再生可能エネルギーの発電や電力の貯蔵などに向けて、少なくとも1200億ドル、日本円で18兆円規模の投資の促進などが盛り込まれています。
IPEFは、ことし2月には重要物資などの「サプライチェーン」の分野がすでに発効し、残る交渉は「貿易」の分野のみとなります。
ただ、ことし11月のアメリカ大統領選挙を控えて、交渉が進展するかどうか、先行きは不透明で、最終的な妥結には、時間がかかることも予想されます。
一方、今回の会合にあわせて、脱炭素に向けた投資を企業に呼びかけるフォーラムも開催され、日本は、水素の普及に向けて設立される民間のファンドなどとも協力しながらIPEF域内で投資の拡大を図る方針を明らかにしました。
齋藤経産相「パートナーとの協力を一層推進」
閣僚会合を終えた齋藤経済産業大臣は記者団に対し、「クリーンエネルギーへの投資に向けた基金の活用や、水素など個別分野での協力について議論できた。温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする経済への道筋は容易ではないが、インド太平洋地域におけるパートナーとの協力を一層推進し、この重要な課題を乗り越えていきたい」と述べました。
そのうえで、交渉が続く貿易の分野については「自由で公正な経済秩序の構築に向けたルール作りと、途上国向けの技術支援といった協力のバランスが取れた成果につながるよう引き続き交渉に取り組んでいきたい」と述べました。
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