三菱商事は16日、空気中にある二酸化炭素(CO2)を直接回収する事業に参入すると発表した。英シェルなどと連携し、2020年代の後半に年100万トン規模のCO2の回収をめざす。技術を提供する外部企業への資金支援などで数十億円の投資を想定する。
三菱商事はシェルが米国ルイジアナ州でルイジアナ州立大学などと共同で展開するプロジェクトに参画した。「ダイレクト・エアー・キャプチャー(DAC)」と呼ぶ仕組みで、大型のファンを回転させて大気中のCO2を回収し、地中に埋める。実証実験を通じて商業化をめざす。回収したCO2を合成メタンなどの原料に活用することも構想にある。
複数の外部企業がもつDACの技術を検証し、既存技術と比べてコスト削減をめざす。連携する企業名や具体的な技術内容は明らかにしていない。シェルなどは同事業で23年に米エネルギー省(DOE)の補助金を採択ずみで、資金面でも競争力があるという。
三菱商事は23年、CO2排出枠の売買で世界大手であるスイスのサウス・ポールと、排出枠の販売を仲介するネクストジェンを共同出資で設立した。シェル社との共同事業でも、ネクストジェンを通じて排出権の販売を支援し、手数料収入を受け取る事業モデルを想定している。
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