岸田文雄首相は7日、建設中のリニア中央新幹線に関し、品川―大阪間の全線開業の時期を最速で2037年とする従来目標の達成に向け、支援をしていく考えを示した。同日、愛知県や静岡県など沿線自治体の知事らが首相官邸で要望活動を行った際、明らかにした。

首相は「現行の想定時期の下、整備が適切に進むように環境、水資源の状況やJR東海の財務状況を厳格にモニタリングし、必要な指導と技術的支援を行っていく」と述べた。

リニアを巡っては、静岡県の川勝平太前知事がトンネル工事の環境への悪影響を懸念し、県内着工を認めなかった。着工の遅れでJR東海は目標としていた品川―名古屋間の27年開業を断念。早ければ37年と想定していた大阪までの延伸の遅れも懸念されていた。

他方、静岡県ではリニア推進を掲げる鈴木康友知事が5月に就任し、事態の打開が期待されている。

リニア中央新幹線建設促進期成同盟会会長の大村秀章愛知県知事(左から4人目)らの表敬を受け、要望書を受け取る岸田文雄首相(同5人目)=7日午後、首相官邸

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