米投資会社トゥルー・ウインド・キャピタルは10日、通信機器などを手掛けるサン電子に対してTOB(株式公開買い付け)を開始したと発表した。発行済み株式の18%を上限に取得をめざす。サン電子の事前の同意は得ていない。トゥルー・ウインドは「サン電子の長期的な企業価値向上に貢献することが目的」としている。

買い付け価格は1株4400円で、7日終値を19%上回る。買い付け期間は7月22日まで。トゥルー・ウインドはプライベートエクイティ(PE=未公開株)ファンドを運営。イスラエルにあるモバイル機器向けデジタルフォレンジック(電子鑑識)を手掛けるサン電子の持ち分法適用会社のスポンサーになっている。

今回のTOBに対してサン電子は「トゥルー・ウインド側からの事前接触はなく、提示されている条件や要望はない」としている。サン電子のTOBに対する意見や具体的な対応は後日発表する。

サン電子を巡っては、香港ファンドのオアシス・マネジメントが発行済み株式の計19%を保有している。トゥルー・ウインドは「今回のTOBはオアシスとは関係なくおこなわれる」とした。

TOBの発表を受け、10日の東京株式市場でサン電子株は急騰した。終値は制限値幅の上限(ストップ高水準)となる前週末比700円(19%)高の4390円となり、上場来高値を更新した。

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