コンクリートを吹き付ける機械を精密に操作するシステムを開発した(自動吹き付け機による施工の様子)

鹿島は10日、山岳トンネルを掘った内側の壁にコンクリートを吹き付ける作業を自動化する技術を導入したと発表した。吹き付けの機械を精密に動かすシステムを開発し、熟練の作業員が手動で機械を操作する手間を減らす。トンネル工事に携わる作業員の人手不足に対応する。

岐阜県内の工事現場で導入した。トンネルの内側を計測したデータに基づき、発破によって凹凸になった表面にコンクリートを吹き付けて平滑に仕上げる作業を鹿島のシステムが計画。熟練の作業員に代わり、重機から伸ばしたアームや吹き付けのノズルを自動で動かす。

従来は作業員2人がアームとノズルを1セットずつ手動で操作していたが、自動化により作業員1人が2本のアームとノズルを監視するだけで済むようになる。アーム同士の衝突を避ける機能も備え、効率よく作業が進む。

作業員1人が2本のアームとノズルを監視するだけで済む

今回開発したシステムを活用し、トンネル内部を支える鋼材を設置する作業の安全性も高めた。鋼材同士をつなぐ作業や鋼材の位置を調整する作業を遠隔操作で進められるようにした。崩落の危険が高いエリアでの作業をなくした。

鹿島はこれまでにトンネルを掘る過程で発生する土砂を自動で搬出する技術や、発破作業の安全性を高める技術を開発してきた。今回開発した技術も国内の他の山岳工事現場での導入を目指す。

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