秋田県庁(秋田市)

政府が計画してきた浮体式洋上風力発電の実証事業に秋田県由利本荘市、にかほ市沖の海域が選ばれた。2024〜30年度の期間に丸紅の全額出資子会社である丸紅洋上風力開発(東京・千代田)、東北電力など9社の企業連合が実証事業を担い、国際競争力のあるコストで商用化するため技術課題を探る。

浮体式の洋上風力発電は海に浮かべた風車で発電する仕組み。現在主流の海底に固定する着床式に比べ、水深が深い海域にも発電設備を設置できる。

秋田県沖の実証海域は山形県境に近い由利本荘、にかほ両市沖の海盆エリアと呼ばれる一画。沿岸から20〜30キロメートルの海域に位置し、水深は約400メートル。企業連合は出力1万5000キロワット超の風車を2基設置する。

秋田県はこれまで漁業関係者、浮体式洋上風力の技術開発に取り組む事業者と意見交換し、実証事業の誘致を進めてきた。佐竹敬久知事は「着床式に続き、浮体式でも全国に先駆けた導入を推進するにあたり、大きな弾みになる」とコメントを出した。

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が運営する「グリーンイノベーション基金」から、政府は実証事業に必要な費用の一部を補助する。

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