グリーン水素のサプライチェーン(供給網)を示す模型(14日、東京都中央区)

コーセーは14日、再生可能エネルギーで水を電気分解してつくる「グリーン水素」を山梨県の新工場で使うと発表した。クリームなどのスキンケア製品の生産に必要なボイラーの熱源を、化石燃料から水素に変える。工場の稼働当初は従来の工場と比べて10%の二酸化炭素(CO2)を削減する。

南アルプス工場(山梨県南アルプス市)は24年7月に着工し、26年上期中に稼働する。敷地面積は約11万平方メートルで、投資額は250億〜300億円。

クリームなどの生産時には温度を高めて乳化する必要があり、工場ではボイラーが必要だ。コーセーは工場建設にあたり、県からグリーン水素を調達することで合意した。ボイラーの熱源に水素を使うほか、県営の水力発電所でつくるCO2を排出しない電気を工場建設や稼働に使う。将来は工場で水素を作ることも検討する。

コーセーは2040年までにCO2排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、水素を活用することで脱炭素を進める。エネルギーや電力コストは割高ではあるが、商品値上げにはつながらないとしている。

山梨県はグリーン水素に力を入れている。サントリーホールディングスが同県内に持つ工場では、ウイスキーの蒸留やボイラーの熱源などに水素を活用する。

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