半導体材料大手のJSRは17日、政府系ファンド「産業革新投資機構(JIC)」によるJSR株式の公開買い付け(TOB)が成立したと発表した。JSRはJICの傘下に入り、東証プライム市場への上場は今夏をめどに廃止される。

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 JSRによると、前日に締め切ったTOBに対し、成立条件となる3分の2を超える応募があったという。JICはおよそ9千億円でJSRの全株式を取得する意向で、JSRもJICのTOBに賛同していた。JICは、残りのJSR株も今後、取得していく方針だ。

 JSRは半導体材料のフォトレジスト(感光剤)で世界トップシェアを持つ。政府は半導体産業の強化策を掲げている。JICは、半導体材料分野の競争力を高めるため、JSRの買収をてこに、業界再編を促したい考えだ。(山本精作)

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