研究成果の開示義務を撤廃する改正NTT法が17日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。NTTの国際競争力を高めるのが狙いで、これまで禁じていた外国人役員も取締役全体の3分の1未満まで認めるよう緩和する。
NTT、NTT東日本、NTT西日本の社名変更も認める。付則では「NTT法の廃止を含め検討」するとし、2025年の通常国会をメドに「必要な措置を講じるための法律案を提出する」と明記した。
NTT法を巡っては、通信のユニバーサルサービスや外資規制についても総務省が有識者でつくる審議会で議論を進めている。総務省は今夏にも答申を出す方針だ。
NTT法は日本電信電話公社の民営化に伴い1984年に制定された。NTTは時代の変化に合わない規制が多いとして廃止を訴える一方、競合のKDDIとソフトバンク、楽天モバイルの3社は公正な競争が阻害されるとして廃止に反対してきた。
改正法の成立を受け、NTTは「パートナーと連携しながら、引き続き研究開発に取り組む」とコメントを出した。外国人役員の登用に関する規制緩和については、他の通信3社を念頭に「外資規制と同様、経済安全保障の観点から主要通信事業者全体を対象に議論が必要」と主張した。
KDDI、ソフトバンク、楽天モバイルも連名のコメントを出した。NTT法の廃止の可能性が残ることに懸念を示した。ユニバーサルサービスのあり方など国民生活への影響は大きいとし「NTT法の廃止には反対するとともに、より慎重な政策議論が行われることを強く要望する」と訴えた。
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