川崎重工は地下シェルター用に換気装置を開発する

川崎重工業は20日、2026年をめどに防衛や災害用の地下シェルターで使う換気装置の事業化を目指すと発表した。衝撃や空気汚染に対応できる性能を持たせる。従来はオフィスビルなどの換気向けに開発していたが、国際関係が緊張する中で防衛向けの需要もあるとみて開発を始めた。

粉じんなどをシェルターに入れない物理フィルターや、有毒ガスを除去する化学フィルターを組み合わせてシェルター内の環境を守る。防衛や災害の衝撃に対応した耐久性も備える。川崎重工は潜水艦の建造を手がけており、艦内の閉鎖空間を換気する知見を蓄積してきた。

個人の顧客は想定しておらず、シェルター建設に関わる自治体や建設会社、空調会社向けに販売する。主に国内向けだが、海外市場への参入も検討している。地下シェルターの市場が発達すれば、換気装置だけでも国内で20億〜50億円の市場規模が見込める。有事の際でも輸入に頼らず国内でシェルターの設備を供給できるようにする。

試作機は完成しており24年5月から実証実験を始めている。機能を検証して改良につなげる。

【関連記事】

  • ・川崎重工の山本副社長「全事業の利益率10%超へ」
  • ・地下鉄駅シェルターは560カ所 官房長官、23年4月時点

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。