トヨタ自動車は17日、新型「プリウス」13万5305台(2022年11月〜24年4月生産)のリコール(回収・無償修理)を国土交通省に届け出た。後席のドアに不具合があり、最悪の場合、走行中に開いてしまう恐れがあるという。対象は全生産車両の計約21万1000台で、国内のリコールのほか、各国で法規に合わせた対応を進める。生産と受注は当面停止する。

リコールとなったプリウスは23年1月に発売

リコールとなったプリウスは「5代目」に当たり、23年1月に発売した。12月には「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた人気車種だ。24年1月には「北米カー・オブ・ザ・イヤー」にも選出されていた。

トヨタの上田裕之・渉外広報本部長は取材に対し、「多大なご心配とご迷惑をおかけしていますことを、深くおわびを申し上げます」と陳謝した。

後席ドアハンドルのスイッチが原因

後席ドアを開けるための電気式のスイッチで不具合が明らかになった。防水性能が不十分なため、洗車などで大量の水がかかると内部に入ってショートする恐れがあるという。これまで不具合の報告は3件あるが、事故は確認されていない。

対策部品が整うまで生産と受注を停止する。すでに購入した顧客に対してはドアを開けるのを手動のみにする暫定的な措置をとる。

トヨタは4日から、プリウスを生産する堤工場(愛知県豊田市)の1ラインを停止していたが、「生産工程の確認作業のため」として理由の詳細は明らかにしていなかった。プリウスと「カローラ」を生産するラインで、カローラの生産は18日から再開する。

トヨタ系の東海理化は17日、リコールの要因になったスイッチを製造したのは自社だと公表した。製品保証引当金として110億円を24年3月期の連結決算で計上する。

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