トランクルーム大手のキュラーズ(東京・品川)が24日に発表した調査によると、国内のトランクルームの市場規模は前年比2.6%増の770億円となった。2008年から15年連続で拡大した。新型コロナウイルス下で住環境を見直す機運が広がり、注目されたトランクルームだが、家賃高騰や居住面積の狭小化を背景に、コロナ禍以降も高い需要を維持している。
1〜3月に全国でトランクルームを運営する主要事業者を調査した。
トランクルームの数は1万3691店舗と、国内約1万店のファミリーレストランを超える規模だ。トランクルームの延べ室数は過去最多の58万8905室となった。
都心を中心とした居住面積の狭小化とともにトランクルーム需要が増加し、市場は10年で約2倍に成長した。屋内型のトランクルームは主に都心で増加しており、全国の延べ室数の約4割が東京23区に集中している。
国土交通省が定める水準によると、一人暮らしに最低限必要な部屋の広さは25平方メートルとされている。ただ、都心では10〜20平方メートルの「狭小物件」が若者を引き付ける。背景にあるのが重い家賃負担だ。
総務省によると、30歳未満の勤労単身世帯では1カ月当たりの平均消費支出に占める住居費割合が1969年に5%程度だったが、2014年には約25%に高まった。家賃の安さや立地を重視した狭小物件を選び、収納スペースは外部のサービスを利用するという若者が増えているようだ。
キュラーズの調査によると、「狭小物件を選択し、生活用品の収納スペースは外部を用いるスタイル」について、20〜30代の65.7%が「共感できる」と回答した。共感した人にトランクルームの利用状況を聞いたところ、10.7%が「現在利用している」、28.9%が「利用検討中」と回答。約4割がトランクルーム利用を支持していた。
キュラーズは2027年に1000億円を超える市場に成長する可能性があるとみる。家賃高騰と居住面積の狭小化が止まらない限り、市場拡大は続きそうだ。
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