ノリタケの抗体精製装置では同社の混合器を活用する

ノリタケカンパニーリミテドは25日、バイオ医薬品の一種である「抗体医薬品」の原料となる抗体を効率的に精製できる装置を開発したと発表した。ノリタケが手掛ける静止型の混合器を活用することで、精製にかかる時間を5日から1日に短縮できるという。

26日から開かれる医薬品メーカー向けの展示会に装置を出展する。抗体医薬品は抗がん剤などに使われており、医薬品業界でニーズが高まっている。この原料となるのが、遺伝子操作などでつくられた免疫作用に関する抗体だ。細胞を培養する工程で不純物が多く発生するため、精製で純度を高める必要がある。

従来は円筒状の容器にシリカゲルなどのビーズを敷き詰め、そこに抗体の入った液体を流し入れ、抗体がビーズにくっつくのを自然に待つことで精製した。ただ抗体が付着し精製できるようになるまで時間がかかっていた。ビーズの数も多数必要で、コスト面でも課題があった。

新装置では、ねじれた金属棒を取り付けた管に液体を流すことで攪拌(かくはん)する混合器「スタティックミキサー」を活用する。液体とビーズをこのスタティックミキサーに通すことで、抗体がビーズにくっつきやすくなるという。精製に要する時間が5分の1になるほか、ビーズの使用数も5分の1ですむという。

ノリタケの主力製品である工業用砥石は、電気自動車(EV)の普及のあおりで自動車業界向けの需要に不透明感が出ている。同社は新規事業・製品の育成を急いでいる。抗体の精製装置もその一つで、医薬品業界への展開を進める狙いがある。

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