トヨタ自動車など国内の乗用車メーカー8社が27日まとめた5月の国内生産は、前年同月比4%増の61万6000台となった。単月で前年を超えたのは今年初めて。不正問題で国内生産を止めていたダイハツ工業が全工場の稼働を再開させ、生産台数が回復した。
ダイハツは5月上旬までに本社工場(大阪府池田市)を含む4工場をすべて稼働させた。5月の国内生産は前年同月比17%減の3万8000台で、依然前年の実績を下回るが、減少率は3月、4月の60%台から回復した。7月からは小型ハイブリッド車(HV)の生産を再開する計画で、国内の全ての車種の生産が回復する。
ダイハツは23年12月に認証試験での不正を公表し、国内の全ての完成車工場で生産を止めた。1月の国内生産はゼロだった。1月の8社の国内生産は13カ月ぶりに前年割れになっていた。
5月の国内生産ではスズキが27%増の8万3000台で、伸び率が最大だった。新型の「スペーシア」や「スイフト」が売れた。トヨタやホンダ、マツダ、三菱自動車も前年同月の実績を超えた。
8社の世界生産は同2%減の201万台だった。海外生産が4%減の139万4000台で、2カ月ぶりに前年を下回った。海外生産規模が大きいトヨタとホンダが中国で落ち込んだ。現地の電気自動車(EV)メーカーの新型車投入や価格競争の影響で販売が低迷した。
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