トコジラミ被害の世界的な拡大や訪日客の増加を受けて宿泊業界の需要を見込む。

キヤノンマーケティングジャパン(MJ)はトコジラミの捕獲装置を開発するフィンランドの新興企業、ヴァルパス・エンタープライゼスに出資したと発表した。トコジラミ被害の世界的な拡大や訪日客の増加を受けて同社の装置は宿泊で需要が広がると見込む。ヴァルパスはキヤノンMJの国内販売網を活用して事業拡大につなげる。

グローバル・ブレイン(東京・渋谷)と共同で運営するコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンドを通じて出資する。出資額、出資比率は明らかにしていない。同ファンドは1月に100億円規模で発足した。

ヴァルパスは2017年に発足し、トコジラミの捕獲装置や関連するソフトウエアを開発する。

捕獲装置はトコジラミが人間が排出する二酸化炭素に集まる習性を利用する。ベッドの脚などに装置を取り付けて寝具に集まる虫を捕らえ、人工知能(AI)による画像認識でトコジラミかどうか判別する。侵入が分かればホテルの管理者などに自動で通知する。トコジラミの侵入を早期に発見することでホテルなどは駆除コストを抑えられるという。

キヤノンMJは現時点で技術協力などは想定していないという。同ファンドは事業の開拓を目的としており、今回の出資を通じて観光業界などに向けた新規事業の創出を目指す。

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