中部電力系の送配電事業会社の「中部電力パワーグリッド」が、配電設備の工事を請け負う中部電の子会社「トーエネック」など2社に顧客情報を提供していたことが分かった。電気事業法に抵触しているとして電力・ガス取引監視等委員会に報告した。中部電はトーエネックの一部株式を売却して子会社から外す方針だ。

 電気事業法は、電力の小売事業者間の競争環境を確保するため、送配電事業者が発電・小売りを行う電力会社の子会社への顧客情報の提供を禁じている。パワーグリッド社は中部電から分社した2020年4月以降、トーエネックなどに対し、顧客の氏名や住所、連絡先などを提供していた。別の子会社で発覚した情報管理をめぐる問題を受けて総点検したところ、判明したという。

 中部電は、トーエネックの持ち株比率を現在の51.9%から44.4%に下げ、子会社から関連会社にすることで、違法状態を解消する方針だ。(大平要)

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