パナソニックHDデジタル・AI技術センターの九津見洋所長(左)とストックマークの林達最高経営責任者(2日、大阪府門真市)

パナソニックホールディングス(HD)は2日、人工知能(AI)開発のスタートアップ、ストックマーク(東京・港)と協業すると発表した。両社でパナソニックHD専用の生成AIの基盤となる大規模言語モデル(LLM)を共同開発する。日本語に特化した基盤を秋までに構築し、家電製品などの開発・設計や工場の技能伝承に役立てる。

生成AIの基盤を巡っては、KDDIと総務省所管の国立研究開発法人、情報通信研究機構(NICT)も1日に協業すると発表した。生成AIの性能を表す「パラメーター数」はKDDIとNICTが3110億で、日本語特化型としては世界最大規模とみられる。

パナソニックHDとストックマークのパラメーターは1000億を見込む。パナソニックHDは「民間企業が開発する自社専用の生成AI基盤の計画としては現時点で国内最大規模」と説明する。KDDIはNICTと構築する基盤を自社で利用するだけでなく他社への提供も見据える。

ストックマークはビジネス情報の日本語データを中心に学習させ、AIが誤った回答をする「ハルシネーション(幻覚)」を抑えたLLMを開発している。そこにパナソニックHDの製品や技術情報といった社内データを学習させることで、パナソニックHDの業務や競争環境に見合う回答をAIから得られるようにする。

秋以降、商品設計のノウハウ継承や工場での作業手順の確認などで活用する考えだ。

将来は文章だけでなく画像なども処理できる「マルチモーダル」技術を組み合わせることも視野に入れる。工場の様子がわかる画像をAIに認識させると、異常を検知し対応策を示すといった使い方を想定する。

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