アジア系投資ファンドのMBKパートナーズは3日、アリナミン製薬(東京・千代田)の買収を発表した。売り手は米投資ファンドのブラックストーン・グループで、金額は約3500億円とみられる。ビタミン剤「アリナミン」のブランド戦略を強化し、アジアでの成長を目指す。
【関連記事】 アリナミンを約3500億円で買収 MBK、米ファンドからMBKはアジアでの投資に注力し、消費者向け事業に強みをもつ。アリナミン製薬は「アリナミン」や風邪薬「ベンザ」シリーズといった大衆薬を手掛け、台湾や韓国など海外での販売を伸ばしている。MBKは海外事業の基盤強化や事業エリアの拡大を通じて中長期的な企業価値の向上を目指すとしている。
ブラックストーン傘下では企業価値向上に努め、M&A(合併・買収)を実施した。22年には通販事業のノウハウを目的に「茶のしずく」などスキンケア製品を手掛ける悠香ホールディングスを買収した。24年7月1日にはサプライチェーン強化のためアリナミン製品を製造委託していた日本製薬(大阪府泉佐野市)を武田薬品工業から買収した。
ブラックストーンによると、買収後の売り上げは3年間で13%の年平均成長率を達成した。主要製品の国内シェアの拡大のほか、アジアでの販売拡大に向けて投資した。
アリナミン製薬は16年に武田から大衆薬部門が分社した「武田コンシューマーヘルスケア」が前身。武田は医療用医薬品に集中する方針をとり、21年にブラックストーンが約2400億円で買収した。
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