左から三菱商事の中西勝也社長、ローソンの竹増貞信社長、KDDIの高橋誠社長(2月の記者会見)

ローソンは3日に開いた臨時株主総会で、株式の非公開化に向けた株式併合や定款変更などの議案を可決した。24日の上場廃止が決まり、9月をめどにKDDIと三菱商事が共同経営する体制に移行する。総会でローソンの竹増貞信社長は「3社で高齢化や人口減少などの日本が抱える課題に正面から取り組んでいきたい」と述べた。

総会は午前10時に始まり、48分で終了した。15人の株主が出席し、5人が質問した。KDDIの持ち分を確保するための株式併合と定款変更の2つの議案が承認された。

株主からはKDDIとの相乗効果に関する質問が相次いだ。竹増社長は「人口減少が進むなか、今までと同じ商売では店舗を維持できなくなる。KDDIや三菱商事と色々なサービスを加え、町の生活を全部背負うくらいの気概をもって対応していく」と述べた。KDDIが技術を持つドローンや自動配送ロボの活用、薬のオンライン販売を想定する。

「KDDIとの取り組みで、商品開発は変わるのか」という質問もあがった。ローソンの藤井均常務執行役員は「商品開発は通常約6カ月間を要する。KDDIのテクノロジーを活用すれば、短縮できる。人工知能(AI)の需要予測で調達の精度も高められる」と答えた。

ローソンは2000年、旧東京証券取引所第1部市場に上場した。現在は東証プライム市場に上場しており、今回が最後の株主総会になる。竹増社長は「約24年間、当社経営にご理解とご支援をたまわり誠にありがとうございました」と締めくくった。

【関連記事】

  • ・セブン1強、テックで崩せ KDDI参画の新コンビニ勢力図
  • ・KDDIが描くコンビニ像 真の売り物は最新テック
  • ・KDDI高橋社長の決断 ローソン出資に稲盛氏の教え

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。