終値の史上最高値を更新した日経平均株価を示す電光掲示板=東京都中央区で2024年7月4日午後5時18分、宮間俊樹撮影

 4日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)は5営業日連続で値上がりし、終値は4万913円65銭と史上最高値を約3カ月ぶりに更新した。より市場全体の値動きを反映する東証株価指数(TOPIX)も上昇して終値で2898・47を付け、バブル経済期の1989年12月以来、約34年半ぶりに最高値を塗り替えた。歴史的な円安やデフレ脱却への期待の高まりを背景に買い注文が膨らんだ。

 日経平均は、半導体関連株がけん引して3月に最高値を付けた後は足踏みが続いていたが、6月下旬から再び上昇傾向に転じた。円安・ドル高基調が続き、自動車を中心とした輸出関連株が上昇。日銀の金融政策正常化に伴う金利の上昇傾向を受け、業績向上が期待される銀行や保険といった時価総額の大きい銘柄にも買いが集まっている。4日の東京市場は、前日の米主要株価指数が最高値を付けた流れを受け、幅広い業種で値上がりした。

 TOPIXは、東京証券取引所のプライム市場に上場する企業を中心に約2100社で構成。68年1月4日の時価総額を100として、どれくらい時価総額が増減しているかを示す。4日の取引では一時2900ポイントを上回った。

終値の史上最高値を更新した日経平均株価を示す証券会社の電光掲示板=東京都中央区で2024年7月4日午後5時38分、宮間俊樹撮影

 終値は、日経平均が前日比332円89銭高、TOPIXは26・29ポイント高だった。

 大手証券関係者は「市場全体の底上げが進んでいる。日本経済への期待の表れだ」と評価。楽天証券の窪田真之チーフ・ストラテジストは「賃上げ、値上げの循環が続き(実体経済の)本格的なデフレ脱却が進むとの見通しが強まり、製造業などを中心に業績拡大の期待が高まっている」と話す。一方で「急ピッチな上昇で過熱感もある」(市場関係者)との見方もある。

 野村証券の沢田麻希ストラテジストは、今後の株価動向について「(物価上昇分を差し引いた)実質賃金がプラス転換し、個人消費が上向くことがポイントになりそうだ」と指摘する。【成澤隼人、浅川大樹】

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