サービス開始のセレモニーでEVに充電する関電の槇山執行役常務㊧ら(8日、神戸市)

関西電力は8日、イズミヤショッピングセンター西神戸(神戸市)で電気自動車(EV)充電サービスを公開した。商業施設の利用者らが来店時や予約した時間帯に充電できるサービスで、3月から提供を始めている。2025年3月期中に充電器の差し込み口数で1500口の設置を目指す。

イズミヤショッピングセンター西神戸に出力3キロワットの充電器を2台設置し、買い物などをしている間に利用できる。同店ではまだ採用されていないが、利用者はスマートフォンのアプリから充電時間帯を予約できる。決済もアプリ内で完結する。

当面、平日午前10〜午後4時の利用者に商品を値引きするクーポンを配布し、集客力の向上につなげる。今後、時間帯によって充電料金を変動させることも検討する。イズミヤの運営会社は今年度中に近畿で展開する店舗10カ所に設置する計画だ。

関電は充電器を貸し出し、設置の工事費用も肩代わりする。顧客の初期費用を抑え、導入しやすくする。イズミヤのほか上新電機などこれまで7社の店舗に設置しており、今後、高速道路のパーキングエリアや宿泊施設などにも売り込む。

関電によると、23年7月時点でEV1台当たりの設置数は全国平均で0.14台にとどまる。近畿地方では大阪府は全国平均並みだが、兵庫県や京都府では下回っている。

EVは電力需要が拡大する追い風になることから、サービスを通して自らインフラ整備を急ぎ、収益拡大につなげる。槇山実果執行役常務は同日、「(使われないまま余剰となっている)再生可能エネルギー電気も増えており、充電インフラの活用が大事になっている」と話した。

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