ツバル政府から受注した貨客船の進水式を開いた(大分県佐伯市、9日)

本田重工業(東京・千代田)は9日、ツバル政府から受注した貨客船の進水式を大分県佐伯市の造船所で開いた。建造にはアジア開発銀行(ADB)から資金提供を受けた。ツバル政府が保有、運用し国内の人の移動や物資の運搬などに活用する。

建造した船は全長約67メートルで最大200人を乗せることができる。船名は「マヌ・シーナ」。今後はツバル国内や近隣国との間で人や貨物の輸送にあたる。

ADBは2022年、ツバルの海上輸送を強化するプロジェクトに特別基金3000万ドルを提供することを承認した。ツバル政府は300万ドルを拠出する。プロジェクトの一環として、老朽化した既存船を代替する目的で今回の貨客船を建造した。

ツバルは南太平洋の島しょ国で9つの島で構成する。首都フナフティと離島間の交通手段は海路に依存しているという。新しい貨客船によって、安全で効率のよい輸送が可能になり、離島住民の生活向上や経済発展が期待できる。

進水式にはツバルの運輸・エネルギー・通信・イノベーション大臣であるサイモン・コフェ氏も出席。「海上交通サービスは我々島しょ地域のコミュニティーにとって不可欠なライフラインであり、その安全性と効率性を確保することは政府の最優先事項」と述べた。

【関連記事】

  • ・ツバル、新首相にテオ氏 台湾との関係が焦点に
  • ・島しょ国支援、日米豪韓で重層的に 同志国でつなぎ留め

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。