太平洋でとれるクロマグロの資源管理を話し合う国際会議は、7月10日から16日までの日程で北海道釧路市で開かれ、日本をはじめアメリカ、韓国、台湾などの代表が参加します。

太平洋のクロマグロは、乱獲などの影響で資源量が一時、大きく減少しましたが、国際的に資源管理に取り組んだ結果、現在は回復傾向にあります。

こうした状況を踏まえ、日本は、今回の会議に向けて、日本の近海を含む中西部の太平洋でのクロマグロの漁獲枠を増やすよう提案しています。

具体的には30キロ以上の大型のマグロは今の2.3倍に、30キロ未満の小型のマグロは30%増やすことを提案しています。

ただ、漁獲枠を大幅に増やすことに対しては、慎重な声も上がっていて、参加する国や地域が増枠で合意できるかが焦点です。

クロマグロの資源状況は

「クロマグロ」は本マグロとも呼ばれ、マグロの中で最も高級とされ、すしネタや刺身として人気があります。

しかし、乱獲で資源量が減少したことから、それぞれの国や地域が連携して太平洋や大西洋で資源の管理を行っています。

水産庁によりますと、日本の近海を含む太平洋でのクロマグロの親の魚の資源量は、2010年に1万2000トン余りまで減少しましたが、その後、国や地域ごとに漁獲枠を決めるなど、規制を強化した結果、資源量は回復しつつあります。

このため、2021年に開かれた資源管理を話し合う国際会議では、中西部の太平洋での大型のクロマグロの漁獲枠を15%増やすことで合意しました。

さらに、最新のデータとなる2022年の資源量は、会議に参加する国や地域が目標としていた12万5000トンを上回る14万4000トンにまで増えています。

去年の会議では、小型のマグロの漁獲枠を減らす代わりに大型のマグロの漁獲枠を増やす、特例措置の拡大で合意していますが、日本は、今回の会議で、3年ぶりに漁獲枠の本格的な拡大を提案した形です。

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