山陽特殊製鋼はシリコン粉末の新しい製造技術を開発した

山陽特殊製鋼は半導体の原材料などに使われるシリコンの粉末を高純度で球形状にそろえて製造する技術を開発したと発表した。半導体の電気特性が安定するなどの効果が期待できるという。新技術で販売先の拡大につなげる。

従来、シリコンを砕いて粉末にする「粉砕法」が一般的だが、この方法では粒子が不ぞろいになり、流動性が下がって利用する過程で詰まりの原因となるなどの課題があった。粒子が球形状となって流動性を高められる「ガスアトマイズ法」では、黒鉛るつぼでシリコンを溶かす際に化学反応が生じて純度の高い粉末の製造が難しかった。

新技術は、黒鉛を使わないるつぼで溶かしたシリコンやシリコン合金にガスを吹き付けて粉末を生成できるようにした。山陽特殊製鋼の2023年度の売上高をセグメント別にみると、鋼材事業が3386億円で粉末事業は53億円だった。この技術で製造したシリコン粉末をテコに粉末事業を伸ばしていく考えだ。

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