東京電力ホールディングス(HD)は11日、柏崎刈羽原子力発電所(新潟県)で作業員が無許可で原子炉建屋の手前にある「周辺防護区域」までスマートフォンを持ち込んだ事例が3月に2件あったと発表した。保安上の機密情報が流出しないよう、敷地内には許可なくカメラやスマホを持ち込むことが禁止されている。2023年度にも同じ事例が複数あり、対策を強化していた。
入域前の検査で金属探知機を通る際、工具などの金属物を分けて入れる袋に混入していた。作業員がスマホの存在を失念し、袋を確かめた警備員も見落とした。ともに原子炉建屋などに通じる「防護区域」の手前でも検査を受け、別の警備員が発見した。
今後は持ち込む物を全て表に出して確かめるなど検査の手順を改める。東電は「再発防止に努める」としている。同原発は23年末にテロ対策の不備による原子力規制委員会の「運転禁止」命令が解除され、再稼働への準備を進めている。
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