11日の東京株式市場でキーエンス株が一時前日比1570円(2%)高の7万7400円まで上昇した。約2年10カ月ぶりに株式分割考慮後の上場来高値を更新した。日経平均株価が初めて4万2000円台を記録するなど3日連続で最高値を更新するなか、海外投資家らが業績堅調な主力銘柄であるキーエンス株を物色したとみられる。

関西に本社をおく大型株では村田製作所株も11日、株式分割考慮後の上場来高値をつけた。キーエンス株の終値は7万6750円、時価総額は18兆6661億円だった。

キーエンスの2024年3月期の連結純利益はファクトリーオートメーション(FA)機器の同業が中国の景気減速の影響で軒並み損益を悪化させるなか、3年連続で最高益を達成した。25年3月期の業績予想は開示していないが、堅調に推移するとの見方が多い。

岡三証券の諸田利春アナリストは「中国で設備投資需要が戻り始めていることに加え、前期に大幅に増やした営業人員が業績拡大に寄与するとの期待もあり、買いが集まった」とみる。

キーエンス株に対しては株式分割を求める投資家もいる。東証では株価が数百円で推移する主力銘柄が増え、個人がキーエンス株を売買するハードルは相対的に上がった。足元の株価は1株を2株に分割した19年11月の水準を上回る。

キーエンスは株式分割について「売買動向や株主構成などを総合的に勘案し、慎重に検討する」としている。

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