松屋銀座店は夏のセールの開始時期を例年より3週間後ろにずらす(東京都中央区)

百貨店の松屋は、銀座店(東京・中央)の夏のセールを例年より約3週間遅い19日から始める。暑い日が長引く近年の気候変動の影響で、衣料品でも夏物が売れる期間が長くなっており例年通りのスケジュールを維持する意義が薄れてきたため。他社でも同様の動きが一部出ており、業界全体に広がる可能性がある。

松屋銀座での2024年の夏セールの開催期間は19〜30日。百貨店は一般的に6月下旬ごろから夏のセールを始めることが多い。松屋銀座は過去にも7月中旬から夏のセールを開催していたことがあったが、近年は6月下旬から実施しており23年は6月30日からだった。松屋は来年以降も夏のセール開始時期を遅くする検討をしている。

エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)傘下の阪急阪神百貨店は阪急うめだ本店(大阪市)で、婦人服のセールを例年の6月末開始から7月19日に3週間程度先送りする。

百貨店など小売業は通常、最も暑くなる時期の直前に夏物衣料品などのセールを実施することが多い。企業などでのボーナス支給時期と重なるため消費者の購買意欲を刺激するととも、変わり目のタイミングでの値引きで、メーカーの季節品の在庫を減らしたいためだ。

世界的な気候変動で暑い日が増えていることに伴い、夏物衣料が売れる時期も長くなっている。需要の高い時期には定価でも売れやすいため、セールの時期をこれまでよりずらすことで定価販売期間を延ばし、利益を底上げする狙いもある。

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